危ない台湾食品-②(可塑剤成分DEHPを含む起雲剤混入食品)

益々広がる可塑剤成分DEHPを含む起雲剤混入食品

 2011年6月3日のworldblogtaipeiの続編です、前回は台湾飲料と表題しましたが、今回から台湾食品と代えさせて頂きます。台湾行政院衛生署の6月13日の発表によりますと、290社・968アイテムにも及びます。当初は、運動飲料(スポーツドリンク)のみでしたが、果汁飲料、茶飲料、果醤(ジャム)、健康食品(ビタミン剤)等々。

参考HP :  http://www.iffc.co.jp/pdf/0613PRODUCT

 主たる商品ですが、名牌食品の絓氏運動、臺灣海洋深層水のTaiwanYes運動速燃飲料、統一企業の寶健運動飲料から始まり、果汁では世界ブランド・サンキスト、台湾系乳酸菌飲料なども含まれております。果汁が非常に多いのは濃縮果汁の部門です。この濃縮果汁な何に使うかというと台湾の街角にある珍珠奶茶(タピオカミルクティー)を売るお店では、珍珠奶茶だけを販売しているのではなく、お茶+果汁という商品も数多く、その果汁はフレッシュなものではなく、価格を安く抑え、手間を省くために濃縮果汁を使用しているケースがほとんどです。また台北の観光地・淡水の「洪媽酸梅湯」(梅ジュース)からもDEHPが検出、これも金果王社から濃縮果汁を購入していたからである。

 台湾で3番目の大手スーパー・大潤發(RT-Mart)ではテラミスからDEHPが検出。というのは、台湾の大手スーパーはパンを店内加工し販売がほとんどなのです。大潤發では、パンと疑わしきインスタント飲料(コーヒー、紅茶等)をすぐさま販売中止した。

可塑剤とは何か?

 今回乳化剤の代わりに使用された可塑剤とは、何か?これは正規の食品添加物ではない。セメント、石膏、プラスティック等の液状化を向上させる物質である。可塑剤成分DEHPを含む起雲剤を利用した飲料ならびに食品を保管、輸送するためにプラスティック容器に入れ、可塑剤がプラスティックを溶かし、人体に害を及ぼすことになる。ただし、現在の飲料ならびに食品はプラスティック容器を利用がほとんどであり、1999年基準を1.5ppm以下と定めました。さて、私も今回勉強したのですが「ppm」とはいかなる単位か?parts per millionの略で濃度を表すために使われている。100万分の1の意味です。1ppm= 0.0001%、今回の基準は1.5 ppmですので0.00015%、台湾のコンビニ飲料600mlで換算すると、0.0009g相当ということになる。高い発がん性物質であり、肝機能に支障を及ぼす可能性が高い。

碰伸公司の頼俊傑被告に2億NT$・懲役25年求刑

 6月13日彰化地方院検察署は、碰伸公司の頼俊傑被告に2億NT$・懲役25年求刑された。なんと24年前から食品添加物・起雲剤を生産する際に、パーム油の代わりに可塑剤DOP(フタル酸ジオクチル)を使用。1999年行政院環境保護署がDOPを第1類毒性化学物質に指定してからは、DEHP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)に切替えて起雲剤として販売していたこのことからいろいろ問題が視えてくる。

食品も安全第一!

安全第一、よく工事現場でみる標語である。USスチールのエルバート・ヘンリー・ゲイリー社長が作った標語である。「生産第一、品質第二、安全第三」という会社の経営方針を改革し、「安全第一、品質第二、生産第三」としたのだ。この標語により災害は減少し、結果品質や生産も向上した。
 またなぜ台湾製のスポーツ飲料に可塑剤成分DEHPが多く含まれていたかは、大塚製薬のポカリスエットの歴史をみると、よくわかる。ポカリスエットは1980年日本で発売開始、2年後の1982年から台湾でも発売開始、ただし当時は輸入品であったと思われる。1996年金車大塚股份有限公司を設立、台湾製造・販売を開始。当然、大塚製薬は薬品会社であり、ポカリスエットに可塑剤等を使う訳もなく、ヒット商品に・・それを真似した台湾飲料メーカーが商品開発をし、追撃しようとしたが、技術面、価格面でそのレベルには到達できず、安全第一の経営方針ではなく、生産第一を取ったため、品質&安全の食品の非常に大切な2点を怠った結果である。台湾の近年の歴史から今回の事件がなぜ起きたか?よくわかる。