〜榮〜 台湾飲食進出をお考えの方へ

●台湾進出・御相談の内容
 2008年、我「忠平企劃」を設立して早3年目に突入いたしました。外国での飲食コンサルタント業、これもひとえに当社顧客のお客様、そしてその先にいらっしゃる我顧客のお店にいらっしゃる台湾2,300万人に感謝の気持ちで一杯であります。「台湾の方々に楽しい食事のひと時を提供する」を強く心に誓い、今後もより一層の努力を続ける所存でございます。今後とも、御指導御鞭撻のほどよろしくお願いします。


 この2年間、台湾進出を考える日本人ならびに日本企業の方々メールや訪問を受けました。その例をいくつか上げさせてみます。第一に個人の方で飲食業をやりたいという方です。台湾に観光や出張等でいらっしゃった時、台湾にこんなに日本料理が多いのか? なら、私もやってみようという方です。同様に台湾駐在(飲食業以外)を経験し、日本の会社から帰国命令。ちょっと日本で仕事はしたくない・・ ならば台湾で飲食を起業しようと考えます。その方々が共通しておっしゃることは「私はグルメです。日本では○○や△△にはよくいっています。日本中のお店を食べ歩きました。」台湾で起業したいのでお手伝いしていただけますか? 正直、飲食業は成功すると大きな利益を得ることができますが、そんなに簡単ではありません。机に座って一日8時間、土日休んでいた人に、長時間(12時間以上)立ちっぱなしで、なおかつ稼ぎ時の土・日にドロドロになりながら働くことができるでしょうか? 飛行機が好きだけでパイロットになれないのと同様、マラソンが好きで、オリンピックのマラソンに出場し、上位入賞を目指せないのと一緒です。


 第二に日本の食品メーカーや水産加工業者、漁業組合の方々の問合せも非常に多いです。これだけ「日本食」の市場(マーケット)があるのでなんとか当社の商品も売れませんか? 共通して言えることは「日本ではこれだけ売れています。ぜひ、御客様の紹介をしていただきたい。」との御相談です。これも実は非常に難しいのです。よくお考えいただきたいのは、欲しくない物は買いません。安くない物は買いません。ひとつに「関税」の問題があります。海産物の関税は「平均40%」高いものでは関税100%なんて物もあります。日本で100円の物が関税と運賃、輸入費用で高い物で3倍近くになります。また、食品には賞味期限があります。もし、売れなかったら廃棄、利益は当然マイナスになります。また、日本で一般的な中国製造の食品は台湾で輸入はできません。


すかいらーくの藍屋も台湾進出


●実際に台湾に進出する企業は!
 ではどんな企業(お店)が台湾に進出するのでしょうか? 我社設立2年間のあいだ、異業種(飲食以外)からの台湾・初飲食(レストラン)開店された方がいます。当然、日本からレストラン経験者を連れて開店するのですが・・・ 結果は×。また、当社に相談される方は日本で1〜2店舗、大成功を収めているので「ぜひ、台湾へ!」出店したいとおっしゃる方もたくさん来ますが・・・ 実際、非常に難しいですし、うまく行きません。


 大手上場企業の方もたくさん台湾に視察に来ますが、実際は1/10程度の進出でしょう。日本は少子化、レストラン市場は縮小、よって海外へ進出。アジア・台湾も候補の一つになるのでしょうが、やっぱり、中国が人口の多さから最優先となるのでしょう。


 台湾に進出している日本企業は、すかいらーく、吉野家、MOS、ロイヤルホスト、和民、大戸屋、COCO壱番屋、牛角、ちよだ鮨、和食えん等が進出しています。現地企業とのFC契約出店のケースもあります。


Saizeriyaも台湾に進出


●進出前に必要なことは「商標登録」
 進出するにあたり必要なことは・・・ 会社設立の準備が必要ですが、その前にやらなければならないことは、「商標登録」です。台湾も日本同様、登録制度を採用しており台湾で商標権を取得するには、台湾商標法に従い、智慧財産局(台湾の特許局)へ出願する必要があります。出願・審査を受け公告となります。1件当りの費用は、出願3,000NT$、登録2,500NT$です。類似商標も登録することも重要なポイントになります。漢字だけでなく、ひらがなやカタカナで商標(屋号)の取得も必要です。重要なことは、台湾は外国、先に商標を取得したものが優先権という点です。会社設立はしたが、自社ブランドの商標が台湾企業もしくは台湾の方が取られていたら、日本の屋号で出店できないということになります。できなければ台湾進出の効果半減であります。


店名変更を余儀なくされた店舗


 これは過去に私自身経験したことですが、前職は日本で有名な市場の名前を使った会社でした。商標登録を申請したところ、日本の某章魚焼会社さんが、商標登録していて結局できませんでした。また前社の台湾進出企業との商談中、「その屋号は台湾・台北で使用している有名料理店があるので難しいのでは?」とお話をしたところ、担当者は逆鱗。結局商売にはなりませんでしたが、数年後そのお店は店名変更を余儀なくされ大損害だったようです。

日本から進出した回転寿司ではありません


 こんなケースもありました。前職の取引先が台湾進出を計画。商標登録を調べたところ、某台湾の日本の商標マニアに取られていました。結果的に、出店を断念。最近、その屋号を発見。これも台湾企業が商標登録しないで勝手に使用しているのでしょう。台湾の方が観たらどう見ても「日本企業が進出」に観えます。台湾進出をお考えの方、ぜひとも当社・忠平企劃に御相談下さい。


参考 台湾の商標制度の概要HP