〜魚〜 台湾三大漁港・宜蘭南方澳漁港

●台湾の海
 台湾海峡と太平洋にはさまれ、浮かぶ台湾本島。面積3万5980「3、日本の九州同等の海に囲まれた島國であります。海に囲まれているから、海産物が豊富。たしかに豊富でありますが、2つの問題があります。台湾北側は亜熱帯気候、台湾南部は熱帯気候。台湾の海水温は平均25℃以上、日本の太平洋海岸の夏場の海水温であります。日本の平均海水温は5℃〜20℃。日本近海を回遊していると考えると、夏場の25℃から冬場の5℃の魚体を作る、寒さを乗り切る魚体を作るには体内に脂肪を蓄積する必要があるのです。よって、日本の魚は「脂がノッている魚」、美味しい魚になる訳です。しかし、台湾近海の魚は、海水温が高いため、美味しい魚が少ないのです。

 もう一つは台風問題です。台湾は、まさに台風銀座。太平洋・フィリピン海峡で発生し、平均3〜4個が襲来。年間最少16個、最多39個の台湾、約27個の台風が発生。台風が近づいている時は、漁に行けないのです。日本の場合、北は北海道から南は沖縄まで、近海で一年中漁獲できますし、海外からの輸入・冷凍品も多くあります。台風が多く来る8月末から9月まで、1日も漁に行けないなんてこともあるのです。非常に不安定な漁場であります。


●台湾の魚
 台湾の魚、一番有名なのは「養殖鰻」です。鰻は淡水魚でありますが、降河回遊(こうかかいゆう)を行います。河から海に出て産卵し、また河に戻るのです。台湾近郊のフィリピン海溝が産卵場所と言われております。ただし、産卵後天然で成魚になるのを待つのでは安定しません。よって稚魚(レプトケファルス)のうちに捕獲し、養殖するのです。成魚になるまで約2年間かかります。年々、この稚魚の捕獲量は減り、現在鰻の養殖は1位中国、2位台湾であります。ようは、中国と台湾でどれだけ稚魚が取れたかで、2年後の鰻の価格が決まってしまうのです。鰻の商売をするということは、有る意味大豆の先物取引と非常に似ているところがあり、素人が手を出すことは危険であります。

 また現在の日本で使用する鰻蒲焼(冷凍)の約9割は中国産、残りが台湾産でありますが、稚魚不足により、中国の加工工場ではヨーロッパ品種の鰻を加工したり、また抗生物質や残留水銀の問題で中国産が不可になると台湾産が日本の輸出量が増え、台湾国内価格高騰したりと非常に価格の不安定な食品であります。

●台北の魚
 台湾の人口は約2,300万人、そのうち台北市261万人、近隣台北縣が393万人。台北商圏の人口は合計約654万人。台湾の人口の28.4%が台北商圏で生活しております。ということは台湾の28.4%の胃袋が台北商圏に集中していることになります。主菜は日本同様、肉(牛・鶏・豚等)と魚であります。日本料理や台湾料理、四川料理に上海料理、飲茶などなど台湾のレストランは約30%が台北商圏に集中。当然魚はどこから購入するのか?日本のように台北市の中心に築地市場のような場所はなく、台北の新鮮な魚は基隆(Jilong)といいます。たしかに基隆は港なのですが、今の基隆は台湾第二の貿易港。漁港の部分は本当に少しです。実は台湾の三大漁港は、屏東縣の東港漁港、台東縣の成功漁港、そして今回御紹介する宜蘭縣の蘇澳南方漁港であります。蘇澳(Suao)港は3つの港があり、北方港(商業港)蘇澳港(軍港)南方港(漁港)であります。こちらで昼取れた魚が、夜基隆の魚市場に運ばれ、輸入された冷凍魚介類と一緒に深夜から朝にかけて販売され、台北市民の胃袋に運ばれるのです。

 台北の魚業者やレストラン経営者達は、深夜、基隆に行き魚介類を購入。実は蘇澳で獲れた魚が1日たっている訳です。日本のように、魚を絞める技術、冷凍する技術はなく、最近(私が知っているかぎりここ3〜4年)発達した冷蔵運搬技術があるだけです。本当に新鮮な魚が欲しいなら、基隆に行って購入するより、雪山隧道の完成により、車で約1時間の蘇澳で購入したほうが新鮮なのです。台湾鉄道・蘇澳站近くには、世界で2つしかない蘇澳冷泉もあります。台北から電車で約2時間半。新鮮な魚料理と冷泉が楽しめます。

●屏東・東港・黒鮪魚ツアーのお知らせ
 2009年5月22日のworldblog台北でお知らせした、東港・黒鮪魚ツアー。昨年の第2回好評の声にお応えして、今年は第3回・忠平企劃主催・東港・黒鮪魚ツアーを行います。

 6月5日(土)決行!朝・7時に台北站に集合。おやつ100NT$まで持参可(バナナはおやつに含まれない)台湾新幹線で一路左営站へ。左営からBUSで東港へ!東港では、取れ立て黒鮪魚に遭遇。そして、御馴染・劉さんのお店で黒鮪食べ放題!!こちらで御土産の黒鮪も購入できます(台北購入の1/3程度の価格)。その後は、東港・まぐろ料理専門店で「まぐろ食べ放題」近隣御土産店で「東港三寶」桜エビや油卵子も購入可。帰りも台湾新幹線で一路台北へ。夕方には台北に到着予定であります。「Worldblog台北を見た!」とメールをいただければ、通常5,500NT$(約¥15,400)を特別価格5,000NT$(約¥14,000)も参加したい方いらっしゃいましたら5月27日までに下記に御連絡下さい。絶対楽しんでいただけます!!

第3回 忠平企劃主催 東港・黒鮪魚ツアーのご案内
日時&集合:2010年6月5日(土)台北車站 AM7:00 集合
会費:通常5,500NT$の処、「worldblog台北を見た!」とメールをいただいた方には特別価格5,000NT$(9折)となります。よろしくお願いいたします。

連絡先:忠平企劃有限公司 +886−7718−8688 内線1232
連絡者:松崎 英明 携帯 0918−621−840
E-Mail: matsu@cyubei.com.tw