〜市場〜　争鮮の「定食８」 - worldblogtaipeiの日記

●争鮮のキャラクター
　2010年4月23日のworldblog台北　〜吃〜　食は文化なり！　におきまして、ともぞうさんより　争鮮（Zheng Xian）のキャラクターの人形プレゼントの件でお叱りを受けました（笑）争鮮とは、私が来台時、初めて勤務した回転寿司チェーンであります。その争鮮が毎週「寿司キャラクター人形」を210NT$（￥630）以上お買上の御客様に、プラス50NT$（￥150）で寿司キャラ人形をプレゼントするというものです。

　キャラクターは全部で7種類、まぐろの「鮪魚侠」、あじの「竹筴丸子」、たまごの「玉子太郎」、いくらの「伊賀鮭子」、サーモンの「清水福鮭」、えびの「海老美蝦」、いなりの「稲荷小武」であります。実は、このキャラクター、私がプロデュースしました。8年前、争鮮が30店舗ほどの時代です。最初は、当時日本で流行していた寿司キャラクター「寿司アザラシ」をコピーしようと社内で企画が上がりました。しかし、コピーは登録商標や著作権の問題がいずれ発生します。大企業を目指すならばオリジナルを作成しようということになりました。しかし、広告予算に限りがあります。たまたま当時私の知り合いのデザイナー横山氏が台湾・台北で御仕事をしていて、すごく少ない予算でデザインを作っていただいたのであります。

　その後、争鮮は店舗数180店舗以上の日本以外では一番大きな回転寿司チェーンに成長しました。現在でも、このキャラはお店の全面に出るキャラクターとして、御客様に愛され、売上にも貢献しております。また、争鮮も各月のプレゼントイベントには、必ずこの寿司キャラを使います。今回は4月1日〜5月23日までの長期キャンペーン。毎週、違う寿司キャラクターのぬいぐるみをプレゼントしております。

　実は、この争鮮の寿司キャラには「隠れキャラ」があります。御寿司のお米を舎利といいますが、企画当時はこの舎利を「Seary（シャーリー）君」というごはん粒キャラをメインキャラにしたのですが、大失敗。可愛かったのですが、台湾の方に、御寿司の御飯を舎利ということを理解させることができなく、失敗しました。ただし、隠れキャラがいつの日か日の目を見る時が、争鮮が一段と大きくなっているころでしょう。

　争鮮ＨＰ：http://www.sushi-express.com.tw/

玉子太郎

伊賀鮭子

●おそるべし商法「定食８」
　争鮮は回転寿司のマーケットで台湾から上海・北京・香港で増殖中。実は、アジアの日本食拡大を台湾企業が行っているという現実です。回転寿司には定説があり、これは日本も、台湾も同じなのですが、御客様お一人、7皿消費という定説です。台湾の人達はあまりお寿司（御飯）を食べないよ〜という意見が聞こえてきますが、小菜、サラダ、デザート、茶碗蒸、味噌汁でこの1人7皿を補うという戦略であります。1人7皿、争鮮は一皿30NT$（￥90）ですから、7×30＝210NT$。客単価は、210NT$（￥630）ということになります。

定食8　入口

　そこで争鮮が台湾の日本食市場に打って出た第二段が、「定食8」（Ding Shi Ba）です。現在台湾で22店舗。台湾では、屋台や國民弁当の100NT$以下のマーケットの次のステップ、客単価200NT$のっしっかりした料理を提供するレストランがあまりありませんでした。回転寿司で成功した争鮮は、次に日本定食に、200NT$で打ってでたのです。

　定食8の特徴は・・・

１、　メニューは8種類の日本式定食
（海老天婦羅、チキン照焼、鰻重、豚カツ、鯖塩焼、鮭西京焼、牛照焼、海鮮丼）
２、　料金は先払い　御飯、味噌汁　おかわり自由
３、　料理提供15分以上は無料
４、　高いイメージの日本食を全品　200NT$(￥600)で提供

海鮮丼　これで200NT$（￥600）

　こんな戦略、日本企業はできません。商品の絞り込み、徹底したセミセルフサービス（料理は持ってきてくれます）メイン料理は日本を始め世界各地からMD（マスマーチャンダイジング）。メイン料理以外のサラダ、御新香、デザート、味噌汁、茶碗蒸を全メニューにセットであります。料理提供15分以上かかったら、無料。従業員は常に緊張感を持って仕事をします。また、これはメニュー数8個だからできることです。また、最近は指定農家と契約して、鮮度を落とさないために真空パックにした御米・争鮮寿司米も使用し品質向上に努めております。