第103年度甲級台湾高校バスケHBL松山高中優勝‐②

第103年度總決賽・台湾高校バスケの総決算

2015年3月7日8日の總決賽に話を戻すが、今までの資格賽、預賽、複賽、準決勝賽はリーグ戦であり、1回負けても上位に行ける可能性がある。ただし、總決賽はトーナメント形式であり1回負けたら優勝はない。現に男子の今季103年をみると、優勝した松山高中は13勝4負、準優勝の泰山高中は資格賽から出場しているので20勝1負という成績である。總決賽は一発勝負の場である。日本の場合は都道府県予選もトーナメント、上位4TEAMのみリーグ戦。全国大会に至ってはほとんどがトーナメントである。ちなみに乙級も優勝を決める大会がある。台湾では、甲級・乙級と2つの優勝TEAMがある。年3回1つの学校のチャンピオンを決める日本との違いである。大会参加の予算やスケジュール調整の問題もあるが、どちらが教育的か?

2月9日から旧正月を挟んだ25日間でコンディショニングを整え、対戦相手のスカウティングを行い、自TEAMの戦術・戦略を考察できるか?が重要なポイントになる。旧正月休みはある意味、BEST4進出TEAMにとって旧正月休みの期間に重なり、強化する最適な時期となる。各TEAM準備をして臨む總決賽、選手にとって「もう1つ成長できるか?」非常に重要な時期となる。自TEAMも成長するが、対戦相手も成長するのである。よって毎年「總決賽」は非常に熱い戦いになり、台湾高校バスケHBLが人気のある理由なのだろう。今年のテーマは「熱血毎一秒」である。

總決賽の初日3月7日(土)、男子の準決勝第一試合 南山高中(2位)と松山高中(3位)終始松山高中のペースで試合を運び60‐101(今季南山高中との対戦2勝2負)で決勝進出を決める。準決勝第二試合 泰山高中(1位)と新榮高中(4位)は第4Q一進一退の戦いの中、最後は底力をみせた予選1位通過の泰山高中が決勝進出を決める。

準決勝Game中ハドル〜選手の距離に注目〜🏀


最終日・決勝 泰山高中vs松山高中

總決賽2日目3月8日(日)の決勝戦、台北小巨蛋(台北ドーム)の観客は約13,000人、内台北小巨蛋から近い松山高中の応援は、在校生2,500人プラス父母など圧倒的に松山高中の緑が多い。選手のアドレナリンは最高潮だと思う中、松山高中1年生でスタートガードを勤める#4高國豪に「緊張している?」と質問すると、さすが天才ガードの答えは「全然!Gameを楽しんできます!」との答えである。普段静かなセンター#15孫思堯は僕に「松崎先生、今日の目標はWIN・勝ちに行きます!」と積極的な答えが帰ってくる。私の進言は「勝つ?ちがうよ!試合をENJOYして来なさい、バスケットボールを愛しなさい、すると勝利がついてくるよ!」すると孫思堯は「ENJOY・LOVE・WIN」と言いコートに出てゆく。

ENJOY THE GAME 〜🏀


そしてトスアップ、スタートは松山高中良かったが、すぐに泰山高中が自力を発揮、3Qスタート時には最高19Pのビハインドである。ただし、TEAMは試合開始直後から成長し続ける。Gの#5丁聖儒は声を出し続ける。キャプテン#10許軒瑜はハドルを組み全員を励ます。サブG#6陳建銘、F#9李繇宸は声を張り上げコートに飛び出す。3年控えの#6楊又翰#11董晉嘉は交代選手をベンチから立ってハイタッチで迎える。その他ベンチメンバーも同様、選手達に熱い声援を送る。そして、約3,000人の同級生応援団の熱い応援。普段大きな声で指示を送る黄教練の声も聞こえないほど選手・ベンチ・応援団の盛上りである。点差は離れていたが、試合をENJOYし、成長して行く選手達、必ず逆転はあるたろうと思いながら観戦した。

TOの選手の距離感と表情に注目〜🏀

そして残5分頃から泰山高中にブレが出だす。初決勝進出、初優勝のプレッシャーか?シュートが入らない。あれだけ正確だったフリースローが落ちる。泰山高中ベンチはタイムアウト。リードしているのに冷静を失っていく。残1分30秒で松山高中が逆転、結果79‐73 6点差で松山高中が勝利する(4年ぶり4回目)。今回のメンバーで4年前の優勝を知るメンバーはいない。正直、松山高中3連覇から優勝を夢見て入学するも、BEST8にも入れない一番きつい時期を経験してきた3年生達である。優勝おめでとう!

最高の功労者(写真右・黄教練の奥様 Ellen林 小姐)

黄教練 4回目のゴールネットカット〜🏀

第104年度の目標設定

機会があり試合後のミーティングにも参加させて頂いた。黃教練は開口一番、MVP&新人王・決勝戦で素晴らしい活躍をした#4高國豪を褒めず、3年生1名1名、礼を労う。特に出場機会に恵まれなかった#6楊又翰#11董晉嘉には、本当によく頑張った、進学しても頑張れとの声をかける。これが、松山高中卒業生が大学バスケUBA、SBLにいて頑張る選手が多い理由であろう。また非常に驚かされたのは「明日体育館に集合するので、2年生・1年生は来季の目標を自分達で決めなさい!」という。まさに黃流・指導法である。過去に3連覇したTEAMである。今年は4年ぶりHBLで優勝である。普通の指導者は「次は2連覇」を目標にする。それを「自分達で決めなさい!」である。選手の自主性を重んじる素晴らしい指導者である。理由は公立高校であるし、3年生も卒業する。厳しい練習・GAMEに耐え目標を達成するには、人にやらされていたら良い結果は望めないし、厳しい練習にも妥協が出る。自分にどれだけ強くなるか?が結果として優勝に繋がるのだろう。そして次節のTEAMの目標は・・・㊙

次期の目標設定は・・・?

3月12日松山高中の新メンバーでの練習は開始された。3年生5名が外れ、103年度優勝のスタートメンバーは3人残る。ベンチメンバー含め7名が残る。ただし、今季ユニフォームをもらえなかったメンバー10名ほどいる。9月には新入生も入学してくる。スタートだから、ベンチメンバーだからで来季の保障は何1つないのが松山高中・黃流である。104年来季の松山高中は今季以上良いTEAMになるであろう。非常に期待している。松山高中 BASKETBALL-TEAM 黄Family まだまだ成長途中である。黃教練も同じ事を考えているだろう。目標は、石垣島メンバー(松山高中・淡水商工)で約束した、2017年ユニバーシアード台北、2020年東京オリンピックである。HBLで優勝できるように頑張るのはその為の第一歩であり、一歩一歩進む以外近道はない。

台湾の状況と日本バスケットボール協会問題点(個人的意見)
こちらはあくまで個人的意見であります〜🏀

http://d.hatena.ne.jp/worldblogtaipei/20150316/1426513065


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