〜點〜 士林の食字路口と秘密の花園

○台北市唯一のレストランポイント(点→北京語では點)
 私は日本の「京樽」という会社に御世話になっておりました。25年前入社。研修後、配属先は「レストラン事業部」。仕事はと言いますと、ファミリー・レストランの仕事。まずは現場で仕事を覚えろということです。「現場主義」ということです。現場(店舗)を知らなければ、他の仕事はできないという会社の方針です。毎日掃除して、食材の準備をして、注文を取って、御料理を運んで、「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」これを毎日繰り返していたのです。週末は繁忙日、御盆・クリスマス・正月など当然休日はもらえません。朝から晩まで、下手すると休憩・食事も取れないなんてこともありました。もう本当にハードワーク、辞めたいと思ったことも何度もありました。

 ただし「体育系」の私、他の社員と比べると体力はあったようです。当時はファミレス時代、「京樽」もバンバン出店する訳です。出店するということは、店長というポストもどんどんできる訳で、入社3年目で店長に昇格。ある時は社内潤・P店舗、年商4億円のお店の店長をさせていただいていたこともあります。

 そして入社10年目で本社に異動。異動した部署は「立地開発部」、仕事の内容は新規出店のお店を探す仕事であります。今までの店舗勤務と180度仕事の内容が違います。本社勤務と言っても、本社に行けば入社10年目でも下っ端です。ただし、当時800店舗ありましたので、売れるお店の場所、売れないお店の場所など色々勉強させていただきました。

 台北市、売れる場所が少ないな〜 というのが感想でした。台北車站付近、MRT中山站付近、MRT忠孝東路站からMRT國父記念館站までのライン、MRT南京東路エリア、信義エリア(MRT市政府站)、天母エリアという処でしょうか? また最近は内湖エリアも良いようです。西門町は低年齢(高校生から大学2年まで)、林森北路は日本人ビジネスマン対象エリアなので、正直厳しい場所です。

 ただし、良い場所に共通して言えることは、百貨店・大型スーパーがあるということです。ようは、乗降数の多い駅(站)、集客力のある百貨店・スーパーがなければ商売、特に飲食はきびしいということです。

 しかし、台北市で1点だけ、百貨店・スーパーがなくレストランが繁盛する処があります。それは中山北路五段と中正路の交差点であります。

中山北路五段・中正路交差点

加州風洋食館(台湾すかいらーく)

○Point・食字路口(中山北路五段・中正路交差点)
 なぜこのPointが良い場所なのでしょうか? 1番は、中山北路の交通量が多いからです。台北市内で勤務し、通勤に車を使える天母、淡水居住者の通り路であります。そして、中正路を通って陽明山方面居住の人もたくさんおります。生活居住区の交通量の多い道の交差点なのです。次にMRT士林站からも徒歩5分以内というのも重要です。天母・淡水エリア居住者はMRT利用者も非常に多いのです。また、近郊の居住者もたくさんおります。日本・東京都足立区竹ノ塚・国道4号線沿いのような場所です。

 北京語で十字路口をShi Zi Lu Kohと言います。日曜日の台湾の人気番組で「食字路口」Shi Zi Lu Kohという番組があります。同じ発音で、美味しいお店が集まる場所という意味を字にかけているのです。

 交差点にはマクドナルド(ドライブ・スルータイプ)とガソリンスタンド。車で来るには最適な場所です。レストランは、ハンバーグの美味しい加州風洋食館(すかいらーく)、和民、Grazie(台湾すかいらーくの運営するイタリア・レストラン)、居食屋・和民、とんかつの知多家。日本のレストランが沢山あります。最近は、洋葱、ピザハット(台湾ではピザ・レストランです)なども出店しました。まさに、日本企業が創りだしたPoint・食字路口であります。レストランが集合することで、相乗効果が生まれています。週末、どのレストランも御客様であふれています。

洋葱とGrazie

居食屋・和民とピザハット

○満腹になったら「秘密の花園」へ
 天気もよく、美味しく楽しい食事の後は、「秘密の花園」へ散歩なんていかがでしょうか? 徒歩5分で「士林官邸」があります。ここは1950年から蒋介石が官邸として使用しておりました。1996年、市民に開放されるまで、近づいてはいけない「秘密の花園」と言われていたそうです。先週は「菊展」をやっておりました。ここの庭園は本当にすばらしい、西式、中式などいくつも庭園があり、それぞれ違う感じになっております。散歩には最高であります。休日、ブラリ士林なんていかがでしょうか? また、士林夜市も近いですよ〜♪

士林主官邸

西式庭園

 ◎士林官邸
 住所:台北市福林路60號
 TEL:02-2881-2512
 参観時間:8:00〜17:00(休祭日は19:00まで)
 閉館日:なし
 入場料:無料