〜學〜 台湾の日本語学習状況

 日本に統治されていた台湾

 8月15日は終戦記念日、1945年今から63年前のことです。当然私は戦後生れですからそのころのことは知りません。終戦までの50年間、終戦まで台湾は日本語教育を受けていました。特殊な環境であることは間違えありませんが、韓国や中国の一部など、日本が統治していた地域は、それほど盛んではありません。今でも70歳以上の台湾人の方は非常に綺麗で流暢な日本語を使います。彼らが国交のない台湾と日本の民間レベルの橋渡しをしてくれていました。ただし、そんな日本語を話せる人達は世代交代、最近ほとんど実業界を引退しております。

 アジア潤・P、いや世界潤・Pの日本語教育

 日本語に対する関心度はアジアいや世界で一番ではないでしょうか? 最近はタイやベトナム、中国などでは日本語教育は盛んに行われているようですが、私の知っている限り台湾が世界潤・Pでしょう。日本交流協会(台湾の日本大使館に相当)と台湾の教育部のまとめた「2006年度台湾における日本語教育事情調査報告書」によりますと、中等教育機関(高校や職業学校)や語学学校で日本語を教えている機関数は513(三年前比較17.9%増)学習者は19万人(48.8%増)、最近は高中(日本の高校)の第二外国語で日本語を設けている学校は252校、約6万人の台湾の高校生が日本語を学んでいる。また高等教育(大学等)では12万人が日本語を学んでいるとの発表がありました。たま、台北市内ではこれを補うための日本語補習班(補習校)の「地球村」や「永漢日語」などが沢山あります。

写真:台北のいたる所にある日本語補習校

 なぜ日本語を勉強するのか?

 ただし、台湾の方がなぜ日本語を勉強するのか? 最近は事情が少し変わってきているようです。以前は、日本の学校に留学したい、日本の企業に就職したい(以前は日本進出企業の給与は良かったようです)、日本語を生かした通訳、翻訳、旅行関係の仕事に就きたいなどが理由のようです。当然、今もこれを目標に勉強している台湾の方沢山いると思います。ただ最近の高校生が日本語を勉強する理由は、日本のドラマを見たい(台湾のケーブルTVには日本語チャンネルが5つほどあります)、日本の歌が歌いたい(ジャニーズ系や安室 奈美恵はすごい人気です)、日本のゲームをやりたい(中文のゲームより日本のゲームソフトのほうが面白い)、日本に旅行に行きたい(ディズニーランドや日本のグルメ、温泉などを自分の言葉で楽しみたい)など色々あるようです。

 日本語能力検定制度

 年1度、交流協会の主催で日本語能力検定という資格試験制度があります。約5万人が受験します。1級から4級まであり、一番難しいのは1級、正直日本人の私でも合格する自信がありません。だいたい日本語の文法なんて日本人知らないですから。一番簡単なのは4級、試験もほとんど平仮名であります。この検定資格を持っていると正直就職には有利であります。ただし、実際に「日本語能力検定1級」を持っているから日本語ができるかというと別問題であります。台湾の人材募集ではインターネット(104人材銀行や1111人材銀行)を使って募集する方法が一般的であります。過去にこの方法で、日本語能力検定1級の人の募集をしたことがありますが、本当にいろいろ・・・ 中には「こんにちは」と「さようなら」しか言えない人がいました。書けると理解して話せるは別問題であります。そのために面接は非常に重要になります。そろそろ当社も人手不足、日本語の出来る台湾の方を募集しようと思っております。いい人が来てくれることを心から祈ります。台湾日本語学習状況でした。