台北最新ラーメン事情 2012年春‐Ⅰ

台湾日系ラーメンの歴史 

 長崎ちゃんぽん・リンガーハットや山頭火が台北に進出というニュースが、日本の方々にも届いております。私が来台した10年前頃すでに札幌ラーメンチェーン樂山娘(どさん子)や百貨店フードコートにある壽賀喜屋(寿がきや)があった。その後進出した、坦々麺の熱烈一番亭(株・ダイム)や翔太(退店)八番ラーメン(退店)など、日本ラーメン進出があった。台湾資本では、赤坂拉麺、玫瑰縁(めんくいえん)、和田屋、飛騨高山拉麺、樂麺屋なども同時期に出店している。その後、2007年頃に味千拉麺(再上陸)や誠屋拉麺(大阪)などが出店。2008年拉麺花月嵐、2010年の麺場 田所商店、2011年に東京池袋の行列店・屯京拉麺(屯ちん)が台北に出店したことにより、2012年、日本飲食のビックネームが台湾進出、まさに「日本から拉麺の黒船来た!」台湾や日本の流通関係者やマスコミは、やれ戦争とか、戦国時代だと書き立て皆様のお耳に達していると思う。

本当に戦争・戦国時代なのか?

 本当に戦争・戦国時代なのか?台湾で最近新聞や雑誌では「PK戦」と使う。実は、これは違うと思う。近隣のお店とお店、会社と会社で日本では競争があるだろう。当然、台湾での競争はある。日本から進出されるお店や会社が戦う相手は、台湾飲食業界との厳しい戦いである。その為に、TEAM日本は協力して、フェロモサ台湾と日々戦い、尚且つ台湾の方々に安全で楽しい場を提供し、安くて美味しいものを食べていただき幸せになってもらうための拉麺でなければならない。すかいらーく、居食屋・和民、大戸屋、COCO壱番屋、勝博殿(さぼてん)吉野家、MOS等先発TEAM日本、飲食&FF組は専門店単品商売ではないが成長している理由であり、今後も成長続けていける店舗数、体力を持っているだろう。拉麺(ラーメン)は台湾の麺業界に対して、戦争にも戦国時代にもなっていない。ただ、今後どれだけ短期間でビジネスとして成長できるかが課題である。


参考 JETRO台北スタイル〜日本食ビジネス特集(2012年3月)
http://www.jetro.go.jp/world/asia/reports/07000881
http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000881/tw_style.pdf

長崎ちゃんぽん・リンガーハット台湾・台北進出 

ちゃんぽん NT$160

 2012年3月末、微風台北車站2Fに「長崎ちゃんぽんリンガーハット」が出店した。1日52万人が乗降する台湾最大のターミナル駅であり、ロケーションは最高。台北車站の2Fの百貨店微風廣場が運営する飲食ゾーンへの出店である。TEAM日本の大戸屋や拉麺花月嵐が出店している。リンガーハットとしては、海外3カ国目、4店舗目の出店である。台湾においてはお好み焼き「TEN屋」を運営するヒロマサインターナショナルとフランチャイズ契約の出店である。㈱リンガーハットは、リンガーハットと浜勝とんかつ2業態で日本国内に600店舗を運営。東証1部に上場する日本外食の優良企業である。創業は1964年、ちゃんぽんを開始したのは1974年である。今後10年間でアジアを中心に170店舗の展開予定である。

 早速新装開店直後から訪問。店舗も清潔、席数30席チョッと狭いが明るい接客、料理提供時間も非常に早く、商品品質も日本と同じ(それ以上かな?)価格も長崎ちゃんぽんNT$160、皿うどんNT$170と非常にリーズナブルである。実は、小生初めて勤務したファミリーレストラン京樽・北小金店の前に長崎ちゃんぽんリンガーハットがあったため、非常によく利用したお店である。それが、台湾で味わえるとは本当に幸せであります。ちなみに日本人でもリンガーハットは、郊外ロードサイドに店舗が多いため、食べたことのないも多い!

しかし、お客様は・・・?

 日本から大手外食が進出、出店立地も非常によい、商品&サービスもよい。しかし、お客様は・・・?あまりいない??なぜなのでしょうか???

 私なりに理由を考察してみました。台湾の方に「ちゃんぽん」「皿うどん」がわからないという点です。拉麺(ラーメン)は知っていてもちゃんぽんは知らないということです。ちゃんぽんの語源を調べてみると、福建語の「吃飯(チャパ)」「吃飯了(チャパベ)」直訳ですと「ご飯食べましたか?」から来ているようです。ちゃんぽん自体の発祥の地は、長崎県長崎市。肉、海鮮、野菜など10数種類の具材をラードで炒め、豚骨と鶏ガラスープで味を調え、麺を入れて煮立てる。太い麺と具材の多さから福建省の「燜麺(メンミェン)」に似ていて中国人留学生が「吃飯(チャパ)」「吃飯了(チャパベ)」と言っているのを当時の店主が、ちゃんぽんと名付けたようです。皿うどんはちゃんぽんの出前用の進化系で、出前はスープが多いとこぼれる。こぼれるのを防ぐためにスープを少なめにしたのが皿うどん。その後、堅焼きそばが伝わり、長崎で発展。現在の形になったそうです。ちゃんぽんと皿うどんの具が一緒なのは、これで納得していただけます。問題は、台湾の方にお店の入口にも書いていないので、「何屋か?わからなないので、行かない!」と言うことです。店舗コンセプトや日本食文化を伝えるのは非常に難しいことです。寿司(SUSHI)や拉麺(ラーメン・らあめん)は知っているので行くけど、ちゃんぽんは知らないので行かないということです。長崎強棒麺(チャンチーチャァンバンミィェン)という言葉があるようですが・・・私も台湾の友達にちゃんぽんを説明するのに、5分以上時間がかかります。(それは私の中国語能力の問題もあります〜笑)

皿うどん NT$170 


 ただし、安定したQSCとリンガーハットさんのオペレーション力で、日本において地方料理ちゃんぽん・皿うどんを全国展開されてきた会社です。よくある、海外進出・台湾進出で味がぶれることがないオペレーションですので、台湾市場(台湾顧客)にまず食べてもらうこと。また、起源は福建ですから、福建出身者の多い台湾、必ず広まる時期も近いと思います。次回は、噂の「らーめん山頭火」台湾進出を書きます。よろしくお願いします。

ちょっと、このデザインではわかりません!

店名:長崎ちゃんぽんRingerHut微風台北車站店
住所:台北市北平西路3號
電話:02‐2311‐9480
www.ringerhut.com.tw