〜吃〜 食は文化なり!

●先週に引き続き吉野家のお話
 第102回worldblog台北で、台湾の吉野家さんのお話をさせていただきましたところ、コメント多数の大反響。また、我の尊敬する、吉野家HD安部修二会長が吉野家社長に復帰というNEWSも伝わってきました。さすがに対応が早く、競合店対策に、牛丼110円引きを実施。また、キン肉マンの作者「ゆでたまご氏」がすき家を選んだ訳が話題になったり、すき家を経営するゼンショーの広報部長が、個人的な見解としながらも「吉野家さんがあるから牛丼がある」というコメントがtwitterに流れたりと何かと話題の日本外食・牛丼業界であります。

 さて、ちょっと数学のお勉強の時間です。日本の吉野家さんは4月1週間、牛丼(並)¥380→¥270という割引セールを実施しました。結果はプレス発表の通り、期間中の売上は2倍とのことです。どんな数字になるかというお話です。2010年3月現在で日本国内1,179店舗あります。通常各店舗平均来店数、800人。全員が牛丼(並)を食べると仮定します。


 通常の一日の日本の吉野家の売上(仮)
¥380 × 800人 × 1,179店舗 = ¥358,416,000

 今回セールの一日の日本の吉野家の売上(仮)
¥270 × 1,600人 × 1,179店舗 = ¥509,328,000


 一日当り、売上高 約1億5千万円42%増、7日間ですから、約10億5千万。¥110割引ですので原材料コスト、持ち帰り客も増えますので、包装材料コストは、上昇しますが、人件費、家賃は固定費ですから、同額。御客様単価が下がるとマーケットが広がり、売上が伸びるという見本であります。ただし、セール終了後の客数減(リバウンド)も考える必要があるでしょう。通常の客数の20%減程度ではないでしょうか?多分2週間後には現状に戻りますので、宣伝効果、新入社員へのマーキングを含めて考えると非常に効果的な宣伝戦略であります。

 レストラン・飲食業の 客数×客単価 どうあるべきか?非常に勉強になる事例であります。台湾のレストラン市場(マーケット)では、3人で来たら、ひとり無料とか、ただ単純なる低価格値引、単純に2折、3折(折とは%割引のこと)、割引を繰り返すことにより、低品質商品に食材を変更し、売上減。行く末は、退店となることは非常に多いです。

牛丼は日本の文化です。

●人和園雲南菜
 最近台湾のレストランを紹介していない、という読者からの声が聞こえます。今回は雲南菜、中国の雲南省のレストランを紹介します。台湾なのに? なぜ雲南省? と言われますが、台湾は第二次世界大戦終了後、中国の國民党が台湾にやってきたと同時に、中国の料理人もたくさん台湾にやって来ているのです。北京・広州・四川・小籠包で有名は上海料理などであります。ちょっと香辛料のきいた雲南料理のレストランを紹介します。

 台湾で50年近い歴史を持つ名店です。ちょっと場所はわかりづらいですが、オーナーは毎年シェフを雲南に料理研修に派遣するほど「味」へのこだわりがあります。

人和園雲南菜の入口

涼拌結頭菜(トマトとかぶのマリネ)

鶏油碗豆(グリーンピースのチキンスープ)

干扁洋芋絲(ジャガイモの千切炒め)

 そしてここで必ず食べなければならないのは、過橋麵でります。熱い鶏スープ、玉子麵、豚肉スライス、野菜が別盛できます。まずは、スープに豚肉スライスでしゃぶしゃぶ。その後、麵と野菜を入れて完成です。これは、昔愛する妻が、御主人の試験勉強の食事を橋を渡って温かいものを食べてもらうための工夫として、材料を別々に持っていったところから、過橋麵(橋を過ぎる麵)という名前になったそうです。お〜、まさに食は文化と愛であります。ぜひ、お試し下さい。

人和園名物:過橋麵

 店名:人和園雲南菜
 住所:台北市錦州街16號
 電話:(02)2536-4459
 営業時間:11:30〜14:30 17:30〜21:00
 年中無休